痛い場所だけが原因とは限らない?痛みの連鎖の話
- 7月10日
- 読了時間: 7分
更新日:2 日前
「腰が痛いから、腰が悪い」「膝が痛いから、膝だけを見ればいい」「肩がこるから、肩をほぐせば大丈夫」
そう考える方は少なくありません。
もちろん、痛みが出ている場所そのものに負担がかかっている場合もあります。ただ、体はひとつながりで動いているため、痛い場所だけが原因とは限らないこともあります。
たとえば、膝に違和感がある方でも、実は足元の使い方や骨盤の傾きが関係していることがあります。肩こりを感じている方でも、背中の丸まりや肩甲骨の動きにくさが関係していることもあります。
つまり、痛みは「その場所だけの問題」ではなく、体全体のつながりの中で見ていくことが大切です。

体はバラバラではなく、つながって動いている
私たちの体は、骨盤、背骨、肩甲骨、膝、足、手などがそれぞれ別々に動いているように見えて、実は全体でバランスを取りながら動いています。
たとえば、骨盤が後ろに倒れやすくなると、背中が丸まりやすくなります。背中が丸まると、肩甲骨が動きにくくなり、肩や首まわりに力が入りやすくなることがあります。
また、肩甲骨や背骨の動きが悪くなることで、腕や手の使い方にも影響が出ることがあります。「肩がこる」「腕が上がりにくい」「手に力が入りにくい気がする」といった感覚も、肩だけではなく、背中や姿勢の影響を受けている場合があります。
足元も同じです。
足元が安定しにくいと、膝や股関節でバランスを取ろうとします。その結果、膝や腰に負担が集まりやすくなることがあります。
このように、体のどこか一か所の動きにくさや使い方のクセが、別の場所に影響することがあります。まるでドミノ倒しのように、ひとつの崩れが次の場所へ伝わっていくイメージです。

筋肉や筋膜も、全身でつながっている
体のつながりを考えるうえで、筋肉や筋膜の存在も大切です。
筋膜とは、筋肉や内臓などを包んでいる薄い膜のような組織です。難しく聞こえるかもしれませんが、体の中にある「全身を包むネット」のようなものと考えると分かりやすいかもしれません。
たとえば、背中から腰、おしり、太もも、ふくらはぎまで、筋肉や筋膜は連続しています。そのため、足元やおしりの硬さが腰まわりの動きに影響したり、背中の硬さが肩まわりの動きに影響したりすることがあります。
もちろん、すべての痛みが筋膜だけで説明できるわけではありません。ただ、「痛い場所だけを見て終わり」ではなく、周辺や離れた場所の動きも一緒に見ていくことで、負担が集まる理由を考えやすくなります。

痛い場所へのケアだけで変化を感じにくいこともある
MoveCareには、接骨院や整体などで痛い場所へのケアを受けた経験がある方も来られます。それ自体は決して悪いことではありません。痛みのある場所を丁寧に見ることは、とても大切です。
ただ、同時に考えたいのは、
「なぜ、そこに負担が集まっているのか」
という視点です。
たとえば、腰に負担が集まりやすい方の場合、腰だけでなく、骨盤の動き、股関節の硬さ、背中の丸まり、足元の安定性などが関係していることがあります。
膝に負担が集まりやすい方の場合も、膝だけでなく、足首の動き、股関節の使い方、体重のかけ方、歩き方のクセなどを見ることがあります。
肩こりの場合も、肩だけではなく、胸の硬さ、肩甲骨の動き、背骨の丸まり、呼吸の浅さなどを一緒に見ていくことがあります。
痛みの出ている部位は「犯人」ではなく、負担が集まっている場所であり、むしろ「被害者」であることもあります。体はチームで動いています。ひとりだけ責めても、会議は前に進みません。体も会社も、連携が命です。
MoveCareが大切にしている考え方
MoveCareでは、痛い場所だけを見るのではなく、姿勢、動き方、筋肉の使い方、日常生活での体のクセまで見ながら、無理のない運動を提案しています。
特に50代、60代、70代の方では、長年の生活習慣によって、知らないうちに体の使い方にクセが出ていることがあります。
たとえば、
・片足に体重をかけて立つことが多い・座ると背中が丸まりやすい・がに股になりやすい・作業で同じ動作ばかり繰り返している・肩に力が入りやすいけれど、自分では気づいていない・歩くときに足の外側へ体重が乗りやすい・靴底のすり減り方に左右差がある
このような小さなクセが積み重なると、特定の場所に負担が集まりやすくなることがあります。
MoveCareでは、理学療法士の視点を活かしながら、「どこが痛いか」だけでなく、「どのように動いているか」「どこに負担が集まりやすいか」を見ていきます。
そして、いきなり強い運動をするのではなく、その方に合わせて、無理なく始められる体づくりを大切にしています。

自宅でもできる簡単チェック
痛みが強くない範囲であれば、まずは自分の体のクセを知ることから始めてみましょう。
1. 姿勢をチェックする
鏡の前に立ち、左右差がないかを確認してみましょう。可能であれば、ご家族に横から写真を撮ってもらい、頭が前に出すぎていないか、背中が丸まりすぎていないかを見てみるのもおすすめです。
無理に良い姿勢をつくろうとする必要はありません。まずは「自分はどんな姿勢になりやすいのか」を知ることが大切です。
2. 足元をチェックする
立ったときに、左右どちらかの足に体重が偏っていないか確認してみましょう。
靴底の減り方を見るのも、分かりやすいチェック方法です。左右で減り方が違っていたり、外側ばかりがすり減っていたりする場合は、体重のかけ方にクセがあるかもしれません。
また、足の指が床を軽くとらえているか、かかとばかりに体重が乗っていないか、足の裏にタコができていないかも確認してみましょう。
足元は体の土台です。土台が不安定になると、膝、股関節、腰、背中へと負担が伝わりやすくなることがあります。
3. 肩甲骨の位置をチェックする
鏡で肩の高さを見てみましょう。左右どちらかの肩が上がっている、下がっている、前に出ているなどの違いが見つかることがあります。
肩甲骨の位置や動きに左右差があると、肩や首まわりに負担が集まりやすくなることがあります。「いつも同じ側がこりやすい」「片方だけ肩が重い感じがする」という方は、肩甲骨や背中の動きにも目を向けてみましょう。
4. 股関節や背中をゆっくり動かす
椅子に座って、骨盤を軽く前後に動かしたり、背中を少し伸ばしたり丸めたりしてみましょう。
腰だけを反らすのではなく、骨盤や背中全体がゆっくり動く感覚を大切にします。大きく動かす必要はありません。気持ちよく動かせる範囲で十分です。
注意してほしいこと
痛みが強い場合や、しびれ、めまい、胸の苦しさ、息苦しさがある場合は、無理に運動を行わず、医師や専門家に相談してください。
また、持病がある方、手術後の方、骨粗しょう症や神経症状がある方、痛みが長く続いている方も、自己判断で進めず、専門家に相談しながら行うことが大切です。
運動は、強くやれば良いというものではありません。今の体に合った方法で、安心して続けられることが大切です。
まとめ:痛みを「場所」ではなく「つながり」で見てみる
痛みがあると、どうしてもその場所に意識が向きます。それは自然なことです。
ただ、体は骨盤、背骨、肩甲骨、膝、足元、筋肉、筋膜などがつながりながら動いています。そのため、痛い場所だけでなく、なぜそこに負担が集まっているのかを全身のつながりから見ていくことが大切です。
MoveCareでは、牧之原市周辺で健康づくりや体づくりをしたい方に向けて、理学療法士の視点を活かした無理のない運動を提案しています。
個別パーソナルケアでは、お客様の体の状態を確認しながら、姿勢、動き方、筋肉の使い方、日常生活での体のクセまで見ていきます。痛い場所を一時的にケアするだけでなく、なぜそこに負担が集まりやすいのかを一緒に見直し、痛みが出にくい体づくりを目指していきます。
「運動は苦手」「何から始めればいいか分からない」「痛い場所だけをケアしても、また同じような不調を感じやすい」
そんな方は、まずは自分の姿勢や動き方を知ることから始めてみませんか。
痛みが出にくい体づくりは、自分の体を知ることから始まります。

執筆者
理学療法士:株式会社ループネス代表取締役


